永宗島にはある時、永宗鎮防御営を置き軍人が常駐していた。永宗鎮営は僉使、僉節制使、防御使などが軍を統率したが、参謀は護軍である。
ある時、ある護軍に可愛い妾がいたが、彼は徐々に妾から情が離れ、その妾は悲しんで、自分の男が勤務する永宗鎮営を訪ねて行き、鎮営の前の太平岩という岩から海に体を投げて溺死してしまった。
彼女の死体を探す人はいなかったが、潮に押されて龍游島浦口に流されているのを見つけて、人々がその死体が護軍の妾であることを知って、海から引き上げて埋めてあげた。
その後太平岩を天女岩と呼び、龍游島浦口の峠は護軍の妾を埋めたことから護軍峠と呼ばれたと言われている。