虹霓門は、仁川鷹鳳山の山腹を切り、高さ約13m、幅約7mの花崗岩の石垣を一つずつ積み上げて、トンネルのように造った石門です。
1906年に着工し1908年に竣工された門で、仁川有形文化財第49号に指定されています。
この門は当時、仁川中央洞と官洞に住んでいた日本人の数が急激に増えると共に、萬石洞（マンソクドン）方面に自分たちの領域を拡大するために山腹を切って作った門です。
日本人は山に穴を開けたとして「穴門（ヒョルムン）」と呼びましたが、多くの犠牲が伴った朝鮮人にとっては血で造った「血門（ヒョルムン）」になってしまった心痛い過去を持つところでもあります。

虹霓門は、虹模様の美しい姿と珍しい雰囲気のおかげで数々のドラマ、映画、CFなどのロケ地にもなっています。
花崗岩とレンガを混用したアーチ型石門の向こう側には何故か、懐かしい人が立っているような雰囲気を漂わせ、おぼろげな感性が感じられます。
日本の建築様式が目立ち、その当時の原型がそのままよく保存されています。

虹霓門は、乗用車2台が同時に通るのが難しいほど通路が狭く、建物5階程度の高さで独特の様式を誇っています。
虹霓門を通り過ぎるとすぐ左側に坂道が見え、その道に沿って登ると市内が一望できます。
急な坂道を経て頂上に上がり、涼しい風を感じることができるように、虹霓門も心痛い過去の時間を経て、現在では仁川を代表する名物として挙げられています。